「地元の高校生が減る」地域の自動車学校が、合宿免許に活路を見出した理由
#事業転換・新規事業#合宿免許#関係人口#事業転換#地域インフラ

「地元の高校生が減る」地域の自動車学校が、合宿免許に活路を見出した理由

能登町布浦
📅創業:令和2年に株式会社化
従業員:12名(季節的なスクールバス運転手を除く)
👤代表:酒屋 利信
事業者名:能登自動車学校

能登町の自動車学校。令和2年に株式会社化。地震前は近隣の民宿などに合宿生を宿泊させていたが、地震後は宿泊先がなくなり合宿が困難に。役員の一人が空き家を購入して自動車学校に賃貸する形で合宿所を整備し、昨年から合宿生の受け入れを再開した。

取材日: 2026.02.17ライター: 木本 正希

※掲載情報は執筆時点のものであり、制度内容は変更される場合があります。また、本事例は事業者の体験に基づくものであり、申請結果や補助金額を保証するものではありません。申請をご検討の際は、窓口で最新情報をご確認いただく事を推奨します。

💡

支援がもたらした変化

能登半島地震等チャレンジ支援補助金で合宿所の備品(ベッド・机・蛍光灯など)を揃えた。人口減少で免許取得者が減る中、合宿免許という選択肢を取り入れることで、存続の道を見いだした。
フェーズ 1

課題

人口減少が進む中、免許取得者も減っていく。地元の高校生も、高齢者講習も、どちらも減少している。転出された方が多い。もう一つの課題は、地震後の宿泊施設不足だった。昔は近隣の民宿などに合宿生を宿泊させていた。だが、地震後はそれが難しくなり、合宿生を受け入れたくても泊まれる場所がなかった。

フェーズ 2

選択と決断

役員の一人が近隣の空き家を購入してくれた。その空き家を自動車学校に賃貸する形で合宿所として整備することに決めた。

究極の二択

究極の二択】存続のためにどうするか

選択肢 A
地元の高校生と高齢者講習だけで回す
  • これまで通りのやり方
決断
合宿免許に活路を見出す
  • 外部から合宿生を受け入れる
  • 関係人口の増加も期待できる
  • ただし宿泊施設の整備が必要

決め手:

人口減少で利用者が減少していく状況に対応するために、補助金を活用して施設を整備し、外部から合宿生を受け入れることにした。

フェーズ 3

行動と変化

合宿所を整備するにあたり、能登半島地震等チャレンジ支援補助金を活用した。商工会などからの紹介で情報を得た。昨年から合宿生の受け入れを再開。外国人実習生や東京から大学生も来ている。合宿生の受け入れが増えたのは、埼玉県にある仲介業者と契約したことも大きい。全国各地から利用者を送りこんでくれている。

⚠️

申請する人が直面しやすい『実務の壁』

情報入手の壁(支援制度を知らない)

自力だけで支援情報を取りにいくことは難しい。

申請手続きの壁(自分で探すのは大変)

事業者が自分で調べて手続きを進めることはハードルが高い。

壁の乗り越え方

▼ こうやって乗り越えた

  • 商工会経由で情報を得た
  • 商工会とのつながりが役に立った
フェーズ 4

現在から未来へ

昨年整備したものとは別に新たな合宿所(女性専用)が今年6月に完成予定、7月末からの生徒受け入れを見込んでいる。ホームページのリニューアルも検討中。合宿生との関係が継続することも目指している。

📖

再起の裏側

地域にないとダメなところ

地域の利便性を保つために存続させなければならないという責任を感じている。 人口減少が進む中でどうやって施設を存続させていくか。その答えの一つが外部からの合宿生の受け入れでした。

泊まる場所がないならつくる

昔は近隣の民宿などに合宿生を宿泊させていましたが、地震後はそれが出来なくなり自前で設備を用意することを決めました。合宿所を整備してからは地震前より忙しい状態が続いています。

関係人口になればいい

合宿をきっかけに能登町を知った人が「また来たい」と言ってくれれば、それが関係人口につながる。学校と地域の魅力をどう発信していくか。これからも挑戦は続きます。

## 今回活用した制度

チャレンジ支援補助金

能登半島地震により経営環境が大きく変化する能登6市町の中小企業・小規模事業者を支援する制度。新たな挑戦、事業、市場のいずれかに挑戦することが要件。

💰
補助率:2/3(小規模事業者)、1/2(中小企業)
📄
上限:300万円
ここがポイント:合宿所の備品(ベッド・机・蛍光灯など)約106万円。商工会経由で情報を得て、担当者が申請を進めた。

✍️編集後記

能登自動車学校の事例は、人口減少により利用者が減少する中で、「地域インフラをどう残すか」という課題に向き合った取り組みです。

地元利用に頼るだけでなく、合宿免許による外部からの受け入れへと舵を切り、そのために必要な施設整備に支援制度を活用しました。

現在は女性専用の合宿所整備も進めており、活用できる支援制度がないか引き続き検討を重ねています。

「合宿で来た子が『また来たい』と言ってくれれば、それが関係人口になる」

支援制度をきっかけに一歩踏み出し、地域インフラの存続と新たな人の流れを生み出す取り組みが続いています。

能登百業録 編集部

木本 正希